田中唯失われた20年
みなさんも一度は耳にしたことがある言葉「失われた20年」。
こう聞くと、暗い気持ちになるのは私だけではないと思います。

バブルが弾けて、日本経済が低迷して早20余年。民主党政権時に8000円台だった日経平均は1万5~6000円台に回復したものの、バブル時の3万8000円台には程遠いです。

昨年末の2万円台も、そのまま伸びを見せることなく1万9000円、1万8000円とどんどん下落してしまったのは記憶に新しいと思います。最近は、日経平均は1万5~6000円台でうろうろが定番化しているような感じですよね。

こういう話を聞くとほんっとに「日本ってダメやん!」という印象を受けると思うんですが、視点を少し変えてみると、40代前半より若い現役世代の人は、今の現状がむしろ「普通」じゃありませんか?

お金を銀行や郵便局に預けていても利息がそれほど付かない。多くの人は勤続年数が長くなっても、それほど給与はふえない。一方、私たちの父母・祖父母は預金金利が6%~9%あり、日本高度経済成長期で年功序列もあり、給与はどんどん伸びました。

そりゃ、お金の環境がこんなに変化してしまったら「失われた20年」なんてネーミングが付いても仕方ないかもしれません。

しかし、40代前半より若い世代はそんな恵まれた環境を知りません。自分たちが一生懸命働いて、生活している環境が、「失われた20年」なんて言われると、私は何だか自分たちの世代はだめなんだ、と言われているように感じます。

私は、20年間という長い月日が本当に失われているなら、日本という国自体が貧困に陥って、どんどん企業が倒産しているんじゃないかと思うんです。だって、20年ですよ。オギャーと生まれた赤ちゃんが大学生になるんですよ。そんな長い月日が失われているのに、日本はデフォルト(破産)していないし、多くの人の生活は豊かです。

失われた20年の間、日本の企業は成長できたし海外進出もしています。新しい企業だってたくさん起業されました。それってとても「日本は力強い」という印象を受けませんか?

物事にはいい面・悪い面が必ずあります。「失われた20年」も言葉通り捉えると暗くなるかもしれませんが、「日本は実は結構地力があるんじゃない」と考えると気持ちが明るくなりますね。

「まだまだ日本だって捨てたもんじゃない!」 ポジティブな私は、そんなふうに受け取っています。